柴漁港って・・・・・・


現在、柴漁港には底引き網の漁船が54隻、穴子のはえ縄漁の漁船が23隻、
また遊漁船が10隻所属して、漁船の多さでは東京湾内の漁業を支える代表的な漁港です。
江戸時代より江戸前の魚の南限で、その頃は手漕ぎの船で江戸、横浜、また
隣町の富岡の別荘地に新鮮な魚を送り届けていたそうです。
現在、柴漁港の魚は水揚げしたその日に東京築地や横浜の市場に運ばれ、
次の日の朝にはセリにかけられ、その日のうちに皆様の食卓に上がります。

柴漁港で水揚げされる魚は様々です。代表はなんといってもシャコ。柴漁港に
所属する船でシャコの加工をする組合員は東京都の保健所の厳しい検査を定期的に受けます。
午前中に水揚げされた活きの良いシャコは、午後には大きな釜で茹で上げられます。
続いて、熟練の職人の手によって、ハサミが入れられ綺麗に殻をむき、皆様が見慣れた
シャコになります。この段階は保健所によりとても厳しく決められていて、
ハサミは何度も消毒されまた殻をむくときは消毒した上で、薄手のゴムの手袋を着用します。
まるでドラマで見る外科の手術のようです。殻のむかれたシャコは小柴と印の入った
特性のパレットに大きさごとに入れられ築地に出荷されます。東京の寿司店のシャコは
以前はほとんど柴漁港のシャコでしたが、4年前から漁獲量が急激に減り、
資源保護のために現在は禁漁になっています。原因は地球温暖化もありますが、
4年ほど前に、関東地方は真夏日の連続記録を更新し、気温の上昇は水温の上昇につながり
東京湾の海底は低酸素状態になりました。続いてその年の秋には雨台風が何度か通過し、
閉鎖的な東京湾は真水が多くなり、海水濃度が薄くなったのが原因になったようです。
東京湾の沿岸は下水道の整備でその日に降った雨は一気に東京湾に流れ込み、
シャコの子に大きなダメージを与えたのでしょう。
でもこの4年間の禁漁で少しずつですが、シャコも増えてきたのが、試験操業でも
現れてきています。この禁漁期間に柴漁港の底引き漁船は様々な漁にチャレンジしています。
1-5月は近年の中国の食の近代化でナマコの需要が増え、ナマコ漁。3-6月はマコガレイ、
スズキ、初夏から盛夏にかけてはアナゴ、メバル、クロダイ、マダイ。夏から秋にかけては、
太刀魚、エボ鯛、また全く別の漁業の形態として試行錯誤の結果、一本釣りと
引き釣り(トローリング)のサバが代表になりました。今までの底引きとは全くかけ離れたサバ釣り。
関サバ、松輪サバを追い越せと、鮮度の良さと丁寧な梱包により、
今ではビックリするような評価をされています。また冬にはスミイカも狙ってます。このスミイカは長年のスミイカの
産卵礁の設置が身を結び、ビックリするような結果は釣りの釣果にも現れています。
また柴漁港の漁船は漁業資源保護のために長年、二操一休(二日操業、一日休み)の形態を長年続けています。
朝の駐車場の帰り、帰りのときにちょっと観察しても面白いですネ。また土曜日の午後には柴漁港の
鮮度抜群の魚の直売が開催されています。前日がシケの場合は開催しないので、ご確認のほどを。

            




参考資料  季刊誌  横浜  柴漁港の歴史